昭和40年改正(1万円年金の実現)

昭和 40 年改正により、厚生年金は、それまで一律定額であった定額部分の給 付を加入月数に比例する仕組みに改めた上で額を引き上げるとともに、報酬比例 部分の乗率を 1000 分の6から 1000 分の 10 へ引き上げ、標準的な老齢年金の月額 が1万円となる年金(1万円年金)が実現しました。

 

一方、昭和 36 年に創設された国民年金は2千万人規模の被保険者を抱くまでになり、高齢化の進行に伴う老後の所得保障への国民の関心の高まりから、やはり その給付水準の拡充が望まれていました。厚生年金で1万円年金が実現されたことも あって、国民年金に関する議論が活発に行われ、厚生年金の定額部分が国民年金に相当するとの考え方から、被保険者1人あたりの標準的な年金月額が5千円(夫 婦で1万円)となるように給付水準が引き上げられました。

 

 老齢年金の基本設計(昭和 40 年改正)

 

国民年金; 年金額=加入年数×2,400 円

 

厚生年金; 年金額=平均標準報酬月額×10/1000×加入月数+250 円×加入月数

 

 

国民年金では制度創設当初は平準保険料に基づいて保険料を設定していましたが、 給付水準の大幅な改善による保険料負担の急激な増加を抑えるため、厚生年金と同様、段階的に保険料を引き上げる段階保険料方式を採用することとなりました。

 

以後、国民年金の保険料は、経済の発展とそれに伴う給付改善や高齢化の進展に併 せ、厚生年金と同様に段階的に引き上げられていくこととなります。また、国民年金の財政方式についても賦課方式的な考え方に移行することとなります。 また、この改正により、厚生年金の国庫負担は給付費の 15%(坑内員 20%)か ら 20%(坑内員 25%)へ引き上げられました。 

 

 

 

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