昭和36年の国民年金創設による国民皆年金の確立
戦後の復興期を終えた昭和 30 年代当時、自営業者等は公的年金制度の対象に なっていませんでしたが、高齢化による老後生活への不安や、戦後の家族制度の変革 に伴う核家族化の進行などを背景として、全国民に老後の所得保障を与える国民 皆年金を望む声が次第に高まってきました。
昭和 33 年には国民健康保険制度ができて国民皆保険が実現しており、また当時のいわゆる神武景気の中で財源が捻出 しやすかったことから独自に敬老年金を支給していた地方自治体もありました。こう した流れを受けて、既存の公的年金制度に加入していなかった自営業者等を適用対象とした国民年金制度が創設され、無拠出制については昭和 34 年から、拠出制については昭和 36 年からそれぞれ実施に移されました。
当時、国民年金では、被用者の被扶養配偶者は任意加入とされた。保険給付と して老齢年金、障害年金、母子・遺児・寡婦年金等が設けられ、老齢年金は保険 料納付期間に応じた定額の給付とされた。また、保険料も定額保険料とされ、平準保険料に基づき月額 100 円(35 歳以上の者は 150 円)に設定されました。
国庫負担については、拠出時負担となっており保険料の2分の1が国庫負担となっていました。これは保険料負担と国庫負担の比率が2対1であることを意味しており、 現在の給付時負担で考えると給付費の3分の1の国庫負担割合に相当します。
老齢年金の基本設計
国民年金 年金額=20年未満加入月数×900円+20年超加入月数×1200円
厚生年金 年金額=平均標準報酬×6/1000×加入月数+24000円